012歳と過ごす時間という「共通性」

松居和チャンネル第54は、「谷川俊太郎さん、逝く。詩人や音楽家の役割」について、です。

副題が「助産師さんが、人生の道筋をつけていた」。

詩人や、音楽家、踊り手を必要としてきた、人間の「感性」(人間性)という共通性が、子育ての分業によって、失われていった。

アメリカやイギリス、フランスといった、多様性を掲げた国々で、記録的にホームレスが増えているのです。いつの間にか、「ホーム」が、人間の家庭ではなく、住所(アドレス)になっている。心ではなく、仕組みに支配されるようになってきている。

貧富の差が、絶望的に広がっていきます。

三十年前すでに、未婚の母から生まれる確率が、4割、5割、6割になっていた国々が、加速する「分断」によって攻撃的になり、「行き場」を失っている。

012歳と過ごす時間が大切だった。その「共通性」が、欠けてくると、人間は、本気で助け合わなくなる。

世代を超えて、お互いに、響き合うべき人たちが、誰かが、尋常でない「富」や「権力」を得るために、意図的に引き離されている。

そして、最近「富」や「権力」を得た人たちが、人類をオモチャにし始めている。

全員が、012歳だったことがある。自分は絶対に一人では生きられなかった。その感覚が必要なのに、仕組みが誤魔化し、それを奪っていく。

キャリア、とか、平等と言いながら、母子分離によって「富」を生み出そうとする「流れ」に呑み込まれてはいけない。

 

「絵本」という世界に、クロスオーバーしてきたから、より一層「詩人」が生きるようになった。私は、その人たちから、大切な「次元」を教わった気がする。

種子は蒔かれている。共通する「感性」を取り戻すために、それを、これから、もっと使ってほしい。

 

谷川俊太郎さん、逝く。詩人や音楽家の役割

松居和チャンネル、第54回のタイトルは、「谷川俊太郎さん、逝く。詩人や音楽家の役割」

副題が「助産師さんが、人生の道筋をつけていた」です。

詩人の谷川俊太郎さんが亡くなった。

心に、また、少し穴が空いたような気がする。

以前、4冊目の本「家庭崩壊、学級崩壊、学校崩壊」の帯に、推薦文を書いてもらいました。

「うーんと唸りました。

読み進める私のアタマには?と!が交互に現れます。

でも松居さんは保育の現場から考えているから、この本の中の具体的な「言葉」には、この時代の抽象的な『決まり文句』を突き崩す強さがあります。」:谷川俊太郎

ありがとうございました

翻訳作品ですが、私が好きな絵本に「フレデリック」というのがあって、

ネズミのフレデリックが、仲間が一生懸命、夏とか秋に働いて食糧貯めているのに、何もしない。

でも、冬になって、みんなが沈んでいると、詩をつくって、朗読する。

黄金色に輝く、素晴らしい情景を、見せてあげる。

詩人の、役割りが時間を豊かにする、そんな絵本です。

音楽や詩、芸術や、踊りを得意とする人たちが、いる。(要る。)

その人たちが「生きる」、その人たちを「生かす」、機会が、私たちには与えられている。人類の不思議なところ。

遺伝子の組み合わせの中に、詩人がいて、踊り手がいて、音楽家がいて、つながっている。一見役に立たなそうに見える人たちが、ある時、ふと役に立つ。そんな世界を作るのが、人類の目標なのです。

それが、幼稚園や保育園の役割なのだ、とも思う。種を植えた人たちの、花を咲かせるのです。

谷川俊太郎という「詩人」を、本当に生かす社会になっていくために、「共感性」を取り戻さなければいけない。そのためには、喋れない乳児の願いを想像する、ことが大切です。

マスコミや学校教育が、「多様性とか個性」と言いながら、実は、「大切な共通性」を失わせている。詩人や、踊り手が与えてくれる「次元」をシェアするのに必要な「共通性」(共感性)を見過ごすようになってきた。

「ママがいい!」と子どもが言ったら、「ママがいい!」んです。その本能的な「常識」があって、詩や踊り、音楽の世界は、成り立つのだと思います。

2/25(火) 『シスター·チャンドラとシャクティ―の踊り手たち』 の上映会

2/25(火)

『シスター·チャンドラとシャクティ―の踊り手たち』

の上映会を開催します📽️

世界的尺八奏者、元埼玉県教育委員会委員長、音楽プロデューサーの松居和さんが監督·撮影。

松居先生も自ら大網白里市にいらして下さり、映画の解説&尺八の演奏もして下さる予定です。

ぜひお越しください💕

取り急ぎ日程のみお知らせ致します☺

 今のところ

10:00~12:30

上映会&演奏&解説。

(延長の可能性あり)

参加費1000円の予定です。

終了後は

ランチを食べながらの交流会?!

こちらは会費未定です

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【場所】

大網白里市内の古民家

とらねこパン店 近くにて

予定しております。

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☆松居和さん プロフィール☆

東京生まれ。慶応大学哲学科からカリフォルニア州立大学(UCLA)民族芸術科に編入、卒業。(20歳の時に、インドから、ヨーロッパ、シルクロードへと1年半の旅をする。村人に混じり、昔ながらの、人々の生活を実感する。)

尺八奏者としてジョージ·ルーカス制作の「ウィロー」、スピルバーグ監督の「太陽の帝国」、ブラッド·ピット主演「レジエンドオブフォール」をはじめ多数のアメリカ映画に参加。

これまでの活動はNHK「すくすくあかちゃん」、静岡テレビ制作「テレビ寺子屋」、TBS「報道特集」などに出演。

2008年、制作、監督したドキュメンタリー映画「シスター・チャンドラとシャクティの踊り手たち」~インドで女性の人権問題で闘う修道女の話~ が第41回ワールドフェスト・ヒューストン国際映画祭、長編ドキュメンタリー部門で金賞受賞。

イングランド国際映画祭審査員特別賞受賞。南アフリカ国際映画祭招待作品。

Bayou City Inspirational映画祭ベストスピリチュアルドキュメンタリー映画賞受賞。

国際宗教映画(International Film Festival of Religion and Cinema)祭招待作品。

衆議院·税と社会保障一体化特別委員会:公述人、衆議院内閣府委員会「保育の無償化」について、の参考人を務める。

子育て関係の著書に「家庭崩壊·学級崩壊·学校崩壊」「子育てのゆくえ」「21世紀の子育て」「親心の喪失」(エイデル研究所)。「なぜ、わたしたちは0歳児を授かるのか」(国書刊行会)など。

最新刊「ママがいい!」 が、2023年にAmazonジャンル別1位。2024年、人気ギフトランキング一位に。

自らの音楽アルバムを16枚制作。「Time No Longer」「Standing on the outside」(クールサウンド)など。演奏家として、ジョニ·ミッチェル「Dog Eats Dog」、ライ·クーダー「Slide Area」、ケニー·ロギンズ「Leap the faith」、ジョージ·ハリソン プロデュースによるラビ·シャンカルの「East meets East」他、多数のアーティストのアルバムに参加。

ユーチューブにて、松居和チャンネル開設。子育て、保育を中心に、音楽や政策論など、多岐に渡り話します。

 

「子育ては、専門家に任せておけばいいのよ」

民主党政権下、母子分離を「幼保一体化」で進めようとした小宮山洋子元厚労大臣が、自著に書いている。

「希望するすべての子どもに、家庭以外の居場所を作ります」。

自民党が進める「子ども・子育て支援新制度」は、小宮山氏が進めた「子ども・子育て新システム」の表紙を三党合意で変えたもの。

「家庭以外の居場所を子どもたちが希望するようになったら」、人類は、お終い。政治家は、そんなこともわかっていない。

人間社会の、全ての絆の「架け橋」となるべく生まれてきた「子どもたち」が、家庭で「活躍」できなくなったら、親たちが、自主性とか、自己実現とか、言い始めたら、混沌は広がるばかり。

「子育ては、専門家に任せておけばいいのよ」と言う人を、厚労大臣にすることが、そもそも、おかしい。

幼稚園か、保育園か、という「悩みを無くし」、親が育っていく「決断の機会」をなくし、幼稚園を保育園化する、幼保一体化路線が、この時、始まった。

親たちの後ろめたさを薄めるために、子どもたちと保育士たち、やがて教師たちが、犠牲になっていった。もう限界を超えている。保育士養成校が定員割れになり、閉鎖されていく。 

それでも、子どもたちは、園に「楽しみ」を求めて、登園してくる。

それに応えようとするのが、私たちの役割です。😀

できることは、まだ沢山あります。よろしく、お願い致します。

「子育て」で、悩んで欲しい

1対6、1対30で「子育て」は出来ない。それをしっかり親たちに伝え、自覚を促すのが、保育でした。40年前、私を鍛えた園長たちは、口を揃えて、そう言っていた。「私たちは、5歳までしか見れないんだ」。

そう呟きながら寄り添っていた、保育士心(ごころ)を、学問や経済学が壊していった。

親たちは、「子育て」で、悩んで欲しい。人生の道筋を考えてほしい。

政治家の選挙に利用されて、「人間性」を失ってはいけない。

オロオロする親、それが、いい親なのです。

政府や経済界の罠にハマって、親たちが「「ママがいい!」」という言葉から背を向けると、愛着障害という形で、「悩みと葛藤」は、「社会」に返ってくる。学校が持たない。

「悩んでいる時」、それは、自分との会話、宇宙との会話。生き方の模索と言ってもよい。人類には、必要な時間です。😀

「子育てが、社会の、鎹(かすがい)」だった。これは、労使関係も含めて。

子は鎹(かすがい)ではなく、「子育てが、社会の、鎹(かすがい)」だった。これは、労使関係も含めて、なのです。

雇用者も、子育ての重要な一部を担っている。子どもを持つ家庭に「配慮」し、「村(むら)社会的」絆を、維持する。それを、「会社」という仕組みの中で、取り戻す役割を果たさないと、「子育ての負債」は、やがて「従業員の質」という形で、雇用側に、必ず返ってくる。

それを、7時から学校を開けば、悩みがなくなる、などと考えるのは、本当に馬鹿げている。悩みは無ければいけない。それが、人間を育て、人間関係を形作る。

大人たちの利便性のために、子どもの気持ちが無視されている。

保育学者の言う、「専門性」は、結局、「無資格」でいい、「短時間勤務でつないでいい」という規制緩和に繋がっただけです。乳幼児の日々を犠牲にし、「欧米ではこうで」と言って、学者たちが、守ろうとした「保育学」は、保育学科の定員割れ、専門学校の閉鎖という結末を招いている。

日本人は、学問で子育てをしない。三歳児神話と祈りで、子どもを守るのです。

 

こども家庭庁、「何を、いまごろ!」

火曜日です。

松居和チャンネル、第53回は、(テーマ)こども家庭庁:「小1の壁」親のキャリア形成に影響、実態把握へ

副題が、「何を、いまごろ!」です。

こども家庭庁の「小1の壁、実態把握へ」は、馬鹿馬鹿しいほど、遅すぎる。

「何を、いまごろ!」と、保育士たちは思っている。

「小学生になった子どもの預け先が見つからず、親の就労が困難になるから、7時半に学校を開けたらどうか」というのです。

今、把握しても、対処する人材はいない。子ども優先ではない政府の施策に呆れて、いい人材が、もう「罠」には、近寄らない。

「逝きし世の面影」第十章『子供の楽園』、に書いてある、欧米人の証言:日本の父親は、幼児の手を離さない。

これが、守るべき「日本」の姿です。

チャンネルに、画像をいくつか載せました。

日本の男たちは、日常的に、赤ん坊を抱いていた。その風景は、幸福感と共に、繰り返し、伝承されていた。それを見た欧米人が、この国を「パラダイス」と呼んだ。その光景を取り戻すのが、こども家庭庁の役割でしょう。

共働きで、しかも「性的役割分担」が抑制され、男女の信頼関係が崩れていったアメリカで、シングルマザーや、義理の関係で育てられる子どもが半数を越えている。同時に、刑務所に入っている女性が、四十年間で10倍近くに増えている。

男たちが責任を放棄し、「子ども優先」に考えないからです。日本を、そういう国にしてはいけない。早急に、「父親たちの一日保育体験」を広めないと、間に合わなくなる。

欧米に比べて、日本は、まだ奇跡的に状況がいいのだから。頑張らなくては。

 

まだ、この国は大丈夫。

まだ、この国は大丈夫。

保育学者が、母子分離を無理矢理正当化し、国立大学が、「発達に悪影響はないので安心して預けてほしい」と、012歳の保育を奨励しても、

当選することしか考えない政治家たちが、「子育て安心」と言いながら、いつでも預けられるのが「安心」なのだ、と、とんでもない理屈を言って、子どもが望まない福祉を選挙で票を獲る手段にしても、

保育士たちと、赤ん坊が、一致団結して訴えれば、まだこの国は、立ち直ってくるだけの「文化や伝統」を持っている。

三歳児神話は、まだ、脈々と生きている。

マスコミは、「ママがいい!」という叫びから背を向けたまま、幼児たちの味方にはなろうとしない。

でも、保育士たちが、こうやって、この国を立て直すことができる。一つの園でできるのだから、できる。

渡辺久子先生

私が呼ばれる講演会、圧倒的に女性が多いのです。

日本は、「母性」で守られている国だな、とつくづく思います。ありがとうございます。

子どもは生後四ヶ月で、しがみつく。社会の一員、

Amazonの「ママがいい!」のリビューに、頂いたメッセージです。

「早くに出会って本当によかった
保育園見学に行くたび覚える違和感。4ヶ月の娘は抱っこ紐の中で、私にしがみつきキョロキョロ。預けられるなんて微塵も思っていない。その姿を思い出し、泣けて泣けて仕方なかった。」

子どもは生後四ヶ月で、抱っこ紐の中で、しがみつき、立派に親を育てている。もう、社会の一員、社会進出している。その時、その子にしか出来ない、大切な役割を果たしているのです。

「泣けて、泣けて」人間は自分のことを理解する。

「ママがいい!」のレビューです。感謝!

仕事についてどうするか悩んでいた時にこの本に出会いました。この本を読んで子どものそばにいたいという自分の本当の気持ちに向き合うことが出来ました。凄く考えさせられる本です。ぜひ多くの方に読んでいただきたいです。

 

早くに出会って本当によかった

保育園見学に行くたび覚える違和感。4ヶ月の娘は抱っこ紐の中で、私にしがみつきキョロキョロ。預けられるなんて微塵も思っていない。その姿を思い出し、泣けて泣けて仕方なかった。

 

現役保育士ですが、保育園は成長ビジネスだからと資格ビジネスに養成校が走り、絶対に現場に出してはいけない学生に資格を与えて就職させてしまいます。

保育園はこんなに増えてはいけなかったのです。待機児童なんて言葉をつくってはいけなかった。読んでいて涙が出そうでした。