幼保一体化は阻止出来るかもしれません

 いま政府が次の国会にかけようとしている子ども・子育て新システム、私も阻止するために努力していますが、幼稚園と保育園の一体化部分は止まりそうです。

 幼稚園も保育園も、どちらも長い伝統とそれぞれの勉強、研究の歴史があります。こんなに簡単に雇用・労働施策で一体化させられるなど、とんでもない話です。子どもたちの成長に大切な役割りを果たして来た保育界に対する敬意が感じられない。
 現場も親たちも誰も望んでいない。愚策と言おうか、こんな施策が簡単に通ると思っていること自体、政府は保育をあまりにも軽く見ている。これ以上無理に進めたら、現政権にとって致命傷になるかもしれません。日本では、まだ6割の子どもが幼稚園を卒園しています。私立幼稚園連合会では全国で一千万人の反対署名を集めようと準備をしています。

 しかし、幼稚園が一体化から外れそうだからと言って、ここで安心してはいけません。幼稚園と保育園がそれこそ「一体」になって新システムそのものに反対しないと、またいつか政治家の思いつきで保育の質が揺らぐかもしれません。

フィギアスケートと音楽

 中国で行われているスケートのグランプリ大会で、日本の男子選手が、映画「レジエンド・オブ・フォール」のテーマを使っていたそうです。私の尺八が聴こえた、と家内が報告してくれました。先週のNHK杯で使われた「マスク・オブ・ゾロ」に次いで2度目です。ちょっと不思議です。やはり、そろそろ演奏を始めようかな、と思いました。両方ともジェームス・ホーナー作曲、私は吹いているだけですが、懐かしいプロジェクトです。両方ともロンドンでのレコーディング。レジェンドは、ブラッド・ピット主演、アンソニー・ホプキンス共演で、一ヶ月ロンドンに滞在して録音しました。

http://sakthi.luci.jp/pg86.html
(ロンドン録音の写真)

 
 昨日は、何年ぶりかで一日三回講演しました。午前中本庄の保育園で父母に話し、午後熊谷で保育士たちに話し、夕方から上田知事が主催している上田政治塾で話しました。三つとも気持ちを込めて話すことが出来、感謝です。聴いてくれる人たちの共感と波動がなければ出来なかったと思います。

狭山の教務主任の先生たちに講演しました。

 今日はいつもの講演を始める前に、最近は、保育園が仮養護施設状態になっている、というお話しを付け加えました。3日前に、保育士から聴いたのです。親による幼児虐待がここ数年急増し、児童養護施設がいっぱいで、昼の間だけでも親の虐待から守るため、児童相談所経由で措置されてくる。「週末が心配です」と悲しげに保育士が言います。

 親は、子育ては保育園がやってくれるものだ、専門家に任せておけばいいんだ、と思い始めています。そして、やがて子育ては学校がやってくれるものだ、それが当然だ、という風に育ってゆきます。そうした意識が底辺で幼児虐待を加速的に増やしている。親が親らしく育たない。親という定義さえゆらいでいる。
 子ども・子育て新システム(幼保一体化)が進めようとしているように、もう25万人0、1、2才児をあずかれば、学校への負担は限界を超えるでしょう。新システムを止めるために、学校の先生たちも立ち上がってくれると良いのですが。たぶん、まだこの津波のような崩壊が数年後に自分たちを襲うことに気づいていないかもしれません。教師と保育士の連携が必要です。子どもを育てる絆が必要です。
 子ども社会を取り巻く不安感が生み出すいじめや不登校。

 児童養護施設が満員で、虐待された子どもたちを収容しきれない。

 児童相談所の職員たちが疲れきって職場を去っていく。

 すべて、親が親らしくなくなったことが原因です。

 親心を耕し直すことをせずに対処療法を続けても限界が来るのです。14年前アメリカの連邦議会で、母子家庭には援助をせず、孤児院を作って国が育てよう、という法案が審議されたことを思い出します。

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横須賀市長さん

 神奈川県の水戸まさし参議院議員の紹介で、横須賀市の吉田市長に会うことが出来ました。30分でしたが、色々と保育の大切さ、一日保育士体験のことなどを説明しました。

 幼児の父親でもある、まだ若い市長でしたから、これからずっと先の日本のことを考えるとかなり気合いが入りました。ちょっと入り過ぎだったかもしれません。
 水戸議員は、国政に出る前に県議を長くしていたので、市長に知り合いが多く、もう2、3人紹介してくれそうです。
 市役所に早く着いたので、海を見にゆくと、よちよち歩きを連れた母親に会いました。