「1日保育士体験」、全員参加が決まりました

西伊豆の、伊豆海こども園、七ヶ月前に保育士たちに呼ばれて講演し、先月、親たちの「1日保育士体験」、全員参加が決まりました、というメールをもらいました。

嬉しかった。本当に、嬉しかった

一園、一園の積み重ねです。いつか、政治家やマスコミが幼児主体に考えるようになって欲しい。でも、結局は、保育士たちの気合いと幼児たちを心配する「気持ち」なんです。大切なのは。

山本園長先生ありがとう。

すぐに、行って祝杯を上げました。祝杯には、教育委員会の人も二人参加しました。美味しいお魚を食べました。

親たちとの信頼関係が、すでに、あったからだと思いますが、私の講演会を、保育士たちが主催し、保護者だけでなく、教育長や町議も、講演に引っ張ってきた、子どもの幸せを願う、その「気持ち」が全員参加につながったのだと思います。

保育園における親心の「耕し」が、教室を鎮め、危機に陥っている学校の再生にもつながる、と教育長さんも理解した。

幼児を見守る保育士たちの「気持ち」なんです。この国を、立て直すのは。

西伊豆町の二つのこども園、伊豆海と仁科。街の親子たちは、全員ここを通っていくのです。保育士たちが、親たちと心を一つにする「保育士体験」に本気て取り組めば、小学校が生き返ってくるのです。

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「当たり外れ」に賭ける「子育て」

国が、11時間保育を標準とすれば、担当する保育士が一日二度交代する。その「当たり外れ」に賭ける「子育て」を、国が先導してはいけなかった。保育の質を規制緩和で下げていく国の、「無責任さ」が、いま、不登校児童の異常な増加に現れている。

そんな中、ニュースで流れて来た「0歳からの保育施設利用は子どもの発達に好影響」という東北大チームの解析記事。「発達に悪影響はないので安心して預けてほしい」と、三歳児神話を、否定する。三歳児神話は、日本特有のものだとも、言うのです。

冗談じゃない。三歳児神話は、何千年にも渡って、人類のグローバルスタンダード。

だからこそ、1959年に国連で採択された、子どもの人権宣言に、「幼児は、例外的な場合を除き、その母から引き離されてはならない」とはっきり書かれていた。

市場原理、優先で、それを忘れさせようとする「動き」こそが危ない。

数学者の岡潔は、成長は遅い方が良い、と言っている。学問は、「情緒」が大切、とも言っている。

「発達」という言葉に騙され「情緒」を失っている、東北大の「このチーム」の、「意図」と「無知」が怖い。

その背後には、政府の、三歳未満児を持つ母親の八割を働かせようという、数値目標があるのでしょう。

 

「ママがいい!」、ぜひ、読んでみて下さい。知り合いの方に、特に地方議員の方に、薦めて下さい。

 

「三歳までの脳の発達」

松居和チャンネル、第49回は、保育士会からいただいた「励ましの手紙」から始まります。そこから、「三歳までの脳の発達」について話します。

一年半くらい、育休をとる親が増え、杉並区や世田谷区の保育園では、0歳児に欠員が出ています。待機児童はいない。でも、まだ、保育園を作る計画がある。政治家や行政の「見込み違い」は甚だしい。来年から教員が揃わない、という小学校の現状もそうです。資格なしでも教師になれます、と文科省は、大慌てで宣伝していますが、将棋で言えば、詰んでしまっている。

こども家庭庁は、突然、「保育は量より質」と言い出しましたが、全国で養成校が定員割れを起こしている状況で、質は、戻ってこない。

三年、育休とります、というところまで「親の意識」が戻れば、子どもたちも落ち着き、学校教育が楽になる。仕組みとしては、ちょっと手遅れですが、やってみるしかない。小学5、6年からの保育士体験、家庭での絵本の読み聞かせなどで、地道に耕しながら、やってみるしかない。

三歳までの子どもの「脳の発達」が、気になるのです。

三歳まで、「どう扱われるか」で、人間の脳の発達が違ってくる。それが一生に影響を及ぼす。繰り返し、言われて来たこと。

その環境を整えることが、親の役割だった。(「ママがいい!」、ぜひ、読んでみてください。松居和チャンネル第9回、ぜひ、園内研修に使って下さい。)

 

 

子どもの人権宣言:「幼児は、例外的な場合を除き、その母から引き離されてはならない」

「0歳からの保育施設利用は子どもの発達に好影響 – “3歳児神話”に提言」という記事。
発表した「東北大のチーム」は、「発達に悪影響はないので安心して預けてほしい」と言う。

こういう発言で、三歳未満児を平気で、(安心して)預ける親が増えることが怖い。
崩壊寸前の義務教育を考えれば、三歳未満児を「知らない人」に、11時間、預けて、「可哀想」と思わない親が増えることが危ない。

何よりも、東北大の「このチーム」の、保育や子育ては、親がどう育つか、だということを知らない「無知さ」と、隠された「意図」が怖い。
こうした「研究」「解析」の背後には、政府の、三歳未満児を持つ母親の八割を働かせようという、数値目標があることを、知らない人が多いことが怖い。

 

「三歳児神話」は、人類のグローバルスタンダード。人間が、人間らしくいるための「常識」。

だから、1959年に国連で採択された、子どもの人権宣言に
「幼児は、例外的な場合を除き、その母から引き離されてはならない」
とはっきり書かれた。
それを消そうとする「動き」が危ない。
その「動き」の中で、欧米では、表向きは「男女平等」と言いながら、母子分離によって経済を活性化させようという「経済論」「市場原理」が、家庭崩壊を一気に進め、犯罪社会への道を選んでしまった。

その過程で、GDP第一位を保ち続け、「世界で一番豊かな国」を自称するアメリカで、女性の囚人の数が爆発的に増えている。1980年代前半に二万六千人だったのが、四十年後、二十三万人、十倍近くになってしまった。
今年、アメリカで、学校内で起こった銃の乱射事件が83件、死傷者が150人。子どもたちが、学校という不自然な集団の中で、暴発し始めているのです。学校内だけで、この数字なのです。

その出発点に、
「0歳からの保育施設利用は子どもの発達に好影響 – “3歳児神話”に提言」に似た記事があったはず。

「発達に悪影響はないので安心して預けてほしい」という、どこかの大学の研究発表があったはず。

日本の状況は、欧米の60年前。
それに感謝して、三歳児神話を大切にしてほしい。

 

 

0歳から「仕込めば」、色々とできるようにはなる

「0歳からの保育施設利用は子どもの発達に好影響 – “3歳児神話”に提言」という、東北大の調査に基づいた、と言われる記事。
「発達」、人間はいつから、こんな愚かな物差しを持つようになったのか。これが「市場原理」というやつか、学校教育の弊害か。
保育園で、0歳から「仕込めば」、色々とできるようにはなる。それを、家庭で、可愛がられた「何もできない」子どもと比較して、「好影響」と結論づけるのだから、この研究チームは、保育を理解していない。
 内村鑑三の言葉を思い出す。「教育で専門家は育つが、人は育たない」。専門家は、感性を捨てている、ということが言いたかったのではないか。
 そして、アインシュタインは、「情報が知識なのではない、体験が知識なのだ」と言った。
 東北大の調査チームの学生たちに言いたい。
「市場原理に取り込まれ、0歳児の母子分離を手伝うより、なぜ、破綻寸前の学校教育から教師たちが去っていくか、考えてみてほしい。」
最近、こんなニュースが流れてきた。
「うつ病などで休職した教員 初の7000人超 過去最多 文科省調査 | NHK 」
この記事が、あなたたちの言う、「好影響」の結果なのだ、と肝に銘じてほしい。
うつ病などで休職した教員 初の7000人超 過去最多 文科省調査 | NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241220/k10014673801000.html

0歳からの保育施設利用は子どもの発達に好影響 – “3歳児神話”に提言https://news.mynavi.jp/techplus/article/20241210-3082713/

オレオレ詐欺が成り立つ国は、実は、いい国

オレオレ詐欺が成り立つ国は、実は、いい国なのです。成人した子どもを助けようとする親たちが、まだ多くいる。

少なくとも、オロオロする。だから、「オレオレ」が成り立つ。

その「良さ」を、失わないように。

詐欺は、いいことではない。しかし、それが成り立つ「意識」は、いいことだと、忘れないように。

 

 

 

「寅さん、なぜ、妹が謝る?」

チャンネル48回、引き続き、日本特有の「連帯責任」について、です。

副題は、「寅さん、なぜ、妹が謝る?」、そして、母性が支える「絆」、です。

日・米社会の違いは、「子育ては、親の責任」ということを、社会が空気感として、強く、保っているか、いないかだと思います。

実の親子、「血縁」というつながりが薄れてしまった欧米に比べ、一見非論理的な、本能的とも言える連帯感、責任意識が、日本の親子関係にまだある。

昨今のアメリカ社会の混乱と混沌、その中で、指針を失い、彷徨っている子どもたちの姿を見ていると、親子間、夫婦間の連帯意識なしでは、人間社会は機能しないことがわかります。それは、つまり、体験としての「子育て」が、保育や学校という仕組みによって、消えていくことの怖さ、ということです。

「親の顔が見たい」という言葉が、社会に生き続けることを祈るばかりです。

 

 

 

「子育て支援」は、「子育て放棄支援です」

「ママがいい!」という子どもたちの叫びを無視して、いまだに進む政府の「母子分離施策」。誰でも、いつでも、知らない人に幼児を預けられることが、「子育て安心」なのだ、というこども家庭庁の稚拙なトリック。保育士や教師が、急速に去っていく状況を見れば、この「罠」の結末は見えているのです。

政府の「子育て支援」は、「子育て放棄支援です」と叫んだ園長先生たちの訴えを、なぜ、三十年前に真剣に聴かなかったのか。私は、政治家たちに伝えた。知らなかったとは言わせない。現場の「思い」から離れた、子どもたちの「願い」を無視した「保育施策」が、政治家と保育学者によって進められた。定員割れを起こしている保育科に、「専門性」など教えられない。

 

 

母子分離と義務教育は、絶対に両立しない

今の政府の対応は、15年遅れている。
学校を立て直す気があるなら、出来ることはあったし、何人かの大臣にも伝えた。
何より、教師の応募倍率の劇的な低下を見れば、義務教育が立ち直れない事は明らかだった。
母子分離と義務教育は、絶対に両立しないのです

父性の論理性より、母性の献身性

母子保健推進協議会で講演しました。乳幼児と母親の相談に乗ったり、援助するボランティアの人たちの集まりです。

先日講演した助産師さんの大会でも感じました。民生委員や保護司、ファミサポもそうですが、日本の子育てはこういう善意の人たちの「母性と献身」で守られてきた。父性の論理性より、母性の献身性で秩序を維持してきた。

それに気づかずに、感謝せずに、政治家や経済界が安易で短絡的な経済論、母子分離政策で、子どもが育っていく環境を壊すやり方に、男たちの愚かさを感じる。一縷の望みが絶たれていく、焦りを覚えるのです。

 

翌日、多久市子育て支援センター「でんでんむし」 で講演。

廃校を利用した大きな支援センターでした。

親子を引き離さない仕組みを増やしていけば、そのうち「学校を見限った親子たち」の居場所になるのかも知れません。親が育てればいいのです。😀

不登校児の増え方、愛着障害と思われる教員の増え方とコミュニケーション能力の欠如を考えると、子どもを大事にする親たちは、義務教育を見限る準備を始めた方がいい。

そのためには、子どもたちに信じてもらうことに、幸せを感じる、生き甲斐を感じることです。その姿勢を、入学までに作り上げる。原点に戻ることを考えた方がいい。