横浜の八ッ橋子ども園

 横浜旭区の八ッ橋子ども園で講演をしました。園児が350人のマンモス園です。親の参加行事がものすごく多い、昔から地域の絆の原動力になっている園でした。園の建物は古くなっていましたが、新しい子育て支援センター、水泳教室、音楽教室、英語教室、なんでもありました。その地域の小学校のP`TA活動は、この園を卒園した父母たちに支えられている、ひょっとすると、この園に子どもを通わせたことが、親子の一生を左右する、そんな感じの園でした。子どもが勉強出来るようなるとか、勤勉になるとか、そんなことではないのです。子育てで一番大切なのは、親に相談相手がいるかいないかだと思うのです。相談相手から良い答えが返ってくるかはどうでもいいのです。親身な人間関係が親の周りにありさえすればそれで良いのです。その第一はもちろん配偶者ですが、友だちも大切です。

 「幼児」という存在が、この親身な人間関係を人間社会に生み出すためにあるのです。それを創らないと「幼児」は生きられない、だから、もう一度幼児の存在意義を社会に取り戻さなければ、日本もますます孤独な人間たちの競争社会になってしまいます。子育ての社会化で崩れた絆は、とても福祉で補いきれるものではありません。雪だるま式に家庭崩壊と犯罪が増えて行きます。

 「幼児」が一人では生きられない真の理由を、国として思い出す時期に来ています。

 私は幼保一体化には反対ですが、こんな感じの子ども園が全国に増えるのであれば問題ないのです。形ではない。やはり鍵は園長先生の親子を見つめる視線、視点、そして気合いです。講演のあと、園長先生と、私を園に紹介してくれた林さんと、古川横浜市議と学生と、1時間ほど語り合いました。外が寒いのに、部屋の中には熱い思いと議論がありました。園長先生の、親を育てている、絆を作っているという実感のある自慢話がとても気持ちよく、少々長居をしてしまいました。親にしてみれば行事が多くて大変だろうと思われる園が、来年はもっと人数が増えるほど人気があるのです。経済が悪くなり、世の中が荒れてくるほど、人間は絆を必要とするのだと思います。今年最後の講演でした。ホッとした気分になりました。

 帰ると、栃木の中山先生からメールが入っていて、絵本わにわにシリーズのサイン本が何冊か欲しいと書いてありました。「わにわにのおふろ」「わにわにとあかわに」とか色々あって、子どもや保育士たちに人気なのですが、実は私の妹が文章を書いていて、先日の講演でそのことをちょっと喋ったら、「えーっ」という歓声があがり、すごく受けました。保育士たちの私を見る目が変わったように思います。持つべきものは妹です。さっそく妹に電話をして、お願いしました。

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