今年も残りわずかです。

 沖縄に行きました。ちょっと休憩のつもりだったのですが、石垣島の宮良先生の采配で、初めて本島で講演会をしました。懇意にしている沖縄の開教育委員長も来て下さいました。ありがとうございます。おかげさまで次の日に、仲井真知事にも会えました。沖縄でも、一日保育士体験広がるといいのですが。最近の無縁社会と呼ばれる状況を見ていると、子どもを眺めて絆が生まれる、社会の原点を早く少しでも取り戻さないと、このまま対処療法では後戻り出来ない社会に日本もなってしまいます。

 沖縄は、ほとんどの子どもが5歳の時に1年間公立幼稚園に行きます。アメリカのプリスクールシステムがいまだに残っている不思議な県です。保育園に行っている子どもも、4歳になると卒園して幼稚園に行くのですが、それが、法律ではなく、伝統として残っているのです。経済本位のシステムが人間を創る時代に、人間が自らの意思で伝統を作っています。

 ひめゆりの塔に行きました。たくさんの写真に囲まれ、様々なことを考えました。ふと、36年前、アウシュビッツに行った時のことを思い出しました。アウシュビッツは寒かった。まったく偶然だったのですが、その時、私をポーランドに誘って下さった丸木位里、俊先生の絵に沖縄で再会しました。佐喜眞美術館という美術館に偶然寄ったのですが、そこに沖縄戦の図がありました。館長に案内され、美術館の屋上から普天間基地を見ました。

 一昨日の「親心を育む会」の例会に、民主党の本田平直代議士が参加しました。普段から園長たちが子どもの幸せを願って考えていること、矛盾に感じていること、ほとんど憤っていること、と言ってもいいかもしれませんが、それを2時間伝えました。通じてくれると良いのですが…。業界としてではない、親子を毎日見続けているひとたちの声を新鮮に受け止めてくれることを願うばかりです。
 私学会館の時もそうだったのですが、政治家が政治家モードに入ってしまっていると、方程式みたいな答えしか返ってきません。宣伝カーと話しているみたいで、心で話している感じがしないのです。でも、育む会の園長、保育士たちは、人情味のある、とりわけ大地を感じるひとたちなので、結構通じたかもしれない、と私は思うのです。
 月曜日に、紹介されて参議員会館でお会いした奈良の中村哲治議員は、なぜかとても人間的でした。ちょっと魅かれました。またお会いしたいです。
 人間的と言えば、栃木の公立保育士たちの勉強会が今月2度あって、新システムについての説明とこれからどうしたらいいのか、という話しをしたのですが、山椒魚の中山先生に会いました。私の講演の前に必ず山椒魚を3匹食べさせる先生です。夜の席で、また、現場の面白い話、とんでもない話を聴きました。こういう人が、大学で教えているとずいぶん良いと思うのですが、気合いの入っていない大学生に教えるよりは、勘違いしている保育士を現場で指導する方が現実的で、いま大切です。現場で、これほど気合いを入れて保育の質を高めようとしている先生がいると、私も頑張る動機になります。ちなみに、中山先生は若い頃セドリックの車高を低くして日光の山々を飛び回っていた先生です。もちろん女性です。
 こういう人が山にはいるんだ、と幾人かの政治家たちに見せたい。そして、政治家ももっと大地をレベルで感性を磨いてほしいと思います。

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