公聴会を終えて

 先週、衆議院の社会保障と税の一体化特別委員会の公聴会で発言した反響が届いています。15分という限られた時間であっても、小野省子さんの詩を読んで良かったと思います。問題は制度を決める上で、この次元「生きている実感」が欠けていることなのですから。

 私が様々なことを教わった園長先生たちの思い、そして幼児たちが園長先生たちに伝えた意識、詩を書く母の思いと発見、そしてアメリカだけでなく世界中で小さな子たちが叫んでいる人間たちを育てたいという叫びが一体になって私をしゃべらせたのだと思いたい。私は伝令役です。あそこに座っていた政治家たちはその思いと叫びを確かに聴いたのです。もう知らなかったとは言えないはず。

 数日後、私は奇跡的な偶然が重なり、ずっと以前から尊敬している保育士の悲痛な叫びを聴きました。現場で起こる他の保育士たちの子どもたちに対する良くない扱いと、それを見るに見かねて指摘した時の保育指針も読んでいない子育て支援課長の対応に、とうとう精神のバランスを崩した同志の涙を見ました。これからなのです。現場も役場も政治家もあらゆる次元で立て直しが必要なのです。

 保育界の意識と子育てに関わる制度の立て直しがいまどれほどこの国にとって大切か、政治家もマスコミも理解してほしい。この国の魂のインフラを支える、一番大切な施策を幼児の、特に三歳未満児の幸せを中心にしっかり作ってほしいのです。しゃべれない者たちの思いを優先し想像して進めば人間はだいじょうぶ。その想像力が自浄作用になるからです。

 二十年先のことを考えるなら、子育てと保育の状況を整えずに経済について語るなど馬鹿げています。

 幼稚園と保育園、私立と公立、ビジネスと子育て、権利と利権、福祉と教育、関心と無関心、祈りと仕事、そして男と女、こうした様々な要素と次元が絡み合って保育界は成り立っています。そして、確かにある一定の規則をもった制度の下に、子どもたち、親たち、保育者たちの心と意識が何かを求めて動いてゆくのです。

 茅野でいいはなしを聴きました。保育者体験をした中学生が父親に幼児との嬉しかった体験を話したのです。その表情と心に感動したのでしょう、父親が夜電気もほとんど消えた役場の子育て支援課に感謝を伝えに来たのです。

 「幼児が中学生を育て、中学生が父親を育てる。そして、父親が子育て支援課を育てているのですね」と係長が私に話してくれました。

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突然のメール失礼いたします。

  本日の衆議院特別委員会の公聴会を拝聴し、どうしても一言申し上げたく、メールさせていただきました。

 私は、子ども子育て新システムの検討経過や子ども子育て関連法案の審議をある程度近くで詳しく追っておりましたが、ずっと物凄い違和感が拭えずにいました。それは、本当の「チルドレンファースト」は幼い子どもと親が一緒にいること、それが実現できるように働き方や社会の在り方を変えていくことであるはずなのに、その理屈抜きの大切さがほとんど議論されないまま、ここまで来てしまったと考えていたからです。

 本日、松居先生のお話を伺い、自分はこういう議論が聞きたかったのだと実感いたしました。公聴会の性質上、待機児童の解消や保育への株式会社参入などに質疑が集中してしまいましたが、政府と議員の方々にはここに至るまでに何よりもまず、親と子の在り方について十分に議論していただきたかったです。

 赤ちゃんや小さい子というのは、そこにいるだけでこちらを幸せにしてくれる凄い存在だと思います。

 私は結婚も出産もまだ経験したことはなく、幼稚園や保育所、政党や各種団体などの関係者ですらありません。まずは先生の御著書を読ませていただこうと思っておりますが、こうした将来の親予備軍のような者にも御講演を伺う機会があれば嬉しいです。

 このような自分の感想を有識者の方にお送りすることが滅多にないため、乱筆乱文お許し下さいませ。

 公聴会で貴重なご意見を述べていただき、どうもありがとうございました。

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私、先生のお話し聞いていてなぜか涙がでるんですよね。

実は母も一時期つらい母子家庭時代をすごし、私たちを育てましたから

私も小さいころの肌そのままでわかってるんです。

細胞のすみずみにしっかり残っています。

子どもは母1人だけじゃ育てられない。母も子もたくさんのあたたかい愛に囲まれてなきゃって。

そんなことを想いながら聴かせていただきました。

政治家の皆さんはいろんな保育の現場や生き生きしたいのちの現場を

いい環境のところもそうでないところも1日体験されたらいいのに。

見学じゃだめです。1日いっしょに泣いたり笑ったり生活するのです。

そうしたら今の子どもたちに、家庭に、地域に、何が必要かすてきな答えがみつかるはず。

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貴重な持ち時間を私の詩のために割いて下さいまして、ありがとうございました。

わが子の小学校や、仕事先の幼稚園で、小さな子どもをもつ親御さんと話し合う機会が多い日々です。

親として育っていく大切さを日々感じています。

                                    小野

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これを機会に少しでも政府の意識が変わりよい方向に向かって欲しいと

願うばかりです。

最後の詩の朗読の部分では、夫婦して涙しておりました。

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http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=41883&media_type=fp

公聴会の映像が衆議院のホームページに載っています。



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