「保育制度が時代に追いつかない」?

三年前、2014年3月20日、このブログに『ベビーシッター死体遺棄事件/「保育制度が時代に追いつかない」?』 http://kazu-matsui.jp/diary2/?p=245 を書きました。「ネットで見つけた知らない人に、仕事のためとはいえ2泊3日で乳幼児を二人預ける」。事件は全国に報道されました。しかし、これほどの事件が、ほとんどブレーキになっていないのです。保育の市場原理化によって、むしろ広がっている。

この事件に関して、当時、「保育制度が時代に追いつかない」という見出しの新聞報道がありました。ひどい話です。騙されてはいけない。マスコミが、こういう浅い視点で見ているから、保育の現場から、その後、いい保育士たちが離れていったのではないでしょうか。政府が進める保育制度と同じで、子ども側からの視点がない。幼児期の子どもたちの過ごし方が、この国の未来を支えるという意識が欠けている。
制度の問題ではない。姿勢の問題。

 日本という国で、保育の問題を、福祉における仕組みの問題ではなく、「子育て」に対する意識の変化の問題として捉えたら、それをいま真剣に考えることは、人類の進化に関わることのようにさえ思えるのです。
親らしさ、という人間の進化と存続に絶対に必要な要素が先進国社会で急速に変質し始めている。その流れに「制度の問題」として対応するほどに壊れてゆく何かがある。欧米型の、経済優先の新しい常識が本来の「人間性」と摩擦を起こし始めている。
そうなると、人間性を土台に作られた「民主主義」「義務教育」「福祉」が機能しなくなってくる。

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