狭山の教務主任の先生たちに講演しました。

 今日はいつもの講演を始める前に、最近は、保育園が仮養護施設状態になっている、というお話しを付け加えました。3日前に、保育士から聴いたのです。親による幼児虐待がここ数年急増し、児童養護施設がいっぱいで、昼の間だけでも親の虐待から守るため、児童相談所経由で措置されてくる。「週末が心配です」と悲しげに保育士が言います。

 親は、子育ては保育園がやってくれるものだ、専門家に任せておけばいいんだ、と思い始めています。そして、やがて子育ては学校がやってくれるものだ、それが当然だ、という風に育ってゆきます。そうした意識が底辺で幼児虐待を加速的に増やしている。親が親らしく育たない。親という定義さえゆらいでいる。
 子ども・子育て新システム(幼保一体化)が進めようとしているように、もう25万人0、1、2才児をあずかれば、学校への負担は限界を超えるでしょう。新システムを止めるために、学校の先生たちも立ち上がってくれると良いのですが。たぶん、まだこの津波のような崩壊が数年後に自分たちを襲うことに気づいていないかもしれません。教師と保育士の連携が必要です。子どもを育てる絆が必要です。
 子ども社会を取り巻く不安感が生み出すいじめや不登校。

 児童養護施設が満員で、虐待された子どもたちを収容しきれない。

 児童相談所の職員たちが疲れきって職場を去っていく。

 すべて、親が親らしくなくなったことが原因です。

 親心を耕し直すことをせずに対処療法を続けても限界が来るのです。14年前アメリカの連邦議会で、母子家庭には援助をせず、孤児院を作って国が育てよう、という法案が審議されたことを思い出します。

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