慢性的な少子化の中で、幼稚園と保育園の、園児獲得競争が始まった。(そう、仕向けられた、と言うべきか。)こども園は「保育園に教育はできない」と言い、保育園は「幼稚園に未満児保育はできない」と言う。本当に大切なのは担当する保育士の人間性、園長の、親や保育士を指導する理念と力量。
市場原理、競争原理がそれを忘れさせ、安易な宣伝文句が飛び交う。その背後に、「保育は成長産業」という、とんでもない閣議決定があった。
親たちが「罠」に気付き、本気で「保育の質」を問い始めた時、それに耐えられるだけの「質」は、すでにない。募集した時に倍率が出ない仕組みを、安易に、非常に安易に作ってしまった、国の責任は重い。学校教育でも、もう、待ったなし、の状況になっている。
親に、子育てを返していくしかない。
母子分離をしない、支援センターという形に移行すれば、保育の質は保てる。園も、生き残る道筋ができる。
「子どもたちの願い」、それに応えることが、全ての鍵になっている。

この時代に、どんなに頑張ったって、保育園では1対1ではないわけです。1対6とか、1対20なのです。それに、気づいてほしい。
子どもたちが要求してくる愛着関係の基本には、(一対一)「ママがいい!」という言葉がある。たった一人の「ママ」がいる。https://youtu.be/7vA796qYWFc
高校の進路指導で、進路が決まらない生徒に保育者養成校を薦める。「子ども相手だったら、大丈夫でしょ」と言われる。「専門性」などと保育学者が言っても、養成校も、早々に資格ビジネスになっていった。資格を与えるべきではない、学生に、資格を与えている。
業者と結託し100%就職を目指す養成校が現れなければ、乳幼児の安全はそれなりに確保できたはず。
政府の「保育は成長産業」という閣議決定が、保育の質を歪めていった。https://youtu.be/YTQuMXPKERw
保育で経済を活性化したい国の(無知な)思惑と、保育の意味を知らずに産業として目をつけた起業家・経営者たちの欲、親たちの「ニーズ」と「希望」、そして、一番の当事者である幼児たちの「願い」が相反する関係にあって、それを実行しなければならない保育士たちの人間性を苦しめる。