弱者と強者の距離が遠のいていく

ダウン症で知的障害を持っているK君と、自閉症のR君、そしてR君のお母さんと園長先生、この四人で、講演の後、給食を食べたのです。

「ほんの1時間くらいだったのですが、私が10歳くらいから色々身に付けてきた世渡りの術は、ほとんどK君には役に立ちません。私の本質しか見られていないような気分です。磨いてきた技術ではどうにもならない、裸にされたような感覚。
たぶん、園長先生はこの時間を、私に過ごさせたかったんだな、と思いました。すべての人間がパズルのように組み合っている。言葉で言うだけでなく、実感させたかったんだな、と思いました」

今回アップした松居和チャンネルは、「園長先生とK君、そして、政治家の集まり」。
副題は、〜弱者と強者の距離が遠のいていく〜、です。

子育ては、自分が倒れたら「この子」は生きていけない、という恐怖を感じることかもしれません。小さい子を、可愛がるほど、そう思う。
その気持ちが、家族や村社会、部族を経て、国家にまでつながっていった。

国家が支配し、「仕組み」を作りはじめた頃、「生きるための動機」が少しずつ曖昧になり、人々は自らの「人間性」を「損得勘定」に置き換えようとしたのです。でも、それでは納得しない人たちがいる。私たちの「本質」を見ている人たちがいる。
それに気づかない政治家たちが、その子たちの運命を決めている。
その瀬戸際に、私たちは立っている。