~「愛されている」そう思う子に育ってほしい~

~「愛されている」そう思う子に育ってほしい~

赤ん坊が生まれ、その初めての笑顔や仕草で人々の心が和み、ひとつになる。それが、人間社会の始まりです。

小さな命は、生きて、そこに居るだけで、人々をいい人間にし、人生の道筋を示してくれる。

その命に話しかけ、言葉では返ってこない宇宙との会話が始まり、親たちは、自身の心の声に聞き耳をたてる。

その時の不思議な感覚を、ずっと覚えているといいのです。

親たちの「可愛がる」喜びが、子どもたちの、「人を信じる力」につながる。

父親が、眠っている我が子に、「カラスなぜなくの」でいい、一人で静かに唄いかける。そんなことを五日間も続ければ、父親の中である遺伝子がオンになり、人間社会は整ってくる。音楽にはそういう不思議な力が備わっていて、コミュニケーションの次元を深くする。子どもたちが示唆する調和への道筋は、いつもそこにあって連鎖するのを待っている。

本当は、道端に咲いている小さな花に歌いかけるのでもいいんです。でも、それではハードルが高すぎるでしょう。眠っている我が子に、という入り口は、自然で、意外と素直に通っていける。実は、「千と千尋の神隠し」があれほど支持されるこの国には、こういう次元を超えることを好む文化的土壌があるのです。

奥さんに言われて、ご主人が実行してみようという気になる夫婦関係なら、すでに大丈夫ですが、うちはどうかな? と思ったら、まずお母さんがやってみてください。眠っている子どもに一人で唄いかける。お母さんが不思議なことをやっている姿を父親が眺める。その姿には、父親が忘れていた「何か」があるはず。

夫婦という最小単位の「社会」には、「子育て」をしながら、こうして人類のコミュニケーション能力を維持していく大切な役割があった。

自分の子どもの寝顔を眺めているだけでしあわせになれる。子どもを可愛がってさえいれば、いい人生が送れる、そういうことに早く気づけば、いいのです。

子どもたちにとって大切なのは、それに気づく人の割り合いなんですね。

(いまだに、昔作った私のアルバムがネット上で生きています。嬉しいことです。)

 It is nice to know that my albums are still alive on the Internet. Thank you so much.

Wheels of the sun