その中心に必ず乳児がいる

中学校の家庭科の時間を使い赤ちゃんやお母さんと触れ合うのもいい。「出産は大変だったけど、感動しました」「未熟児で危なかったんです」と語る母の優しさ、人間の弱さ、そして強さ、絆の原点をこの時期に学ぶ。グループで触れ合う時間となり、中学生のところに赤ちゃんがくる。お母さんが「抱いてみて」と赤ちゃんを渡す。中学生が恐る恐る、しかし嬉しそうに抱っこする。お母さんは中学生を信じて大事な赤ちゃんを手渡した。

信じてもらった中学生が誇らしげに友達を見る。何か不思議なものと一体になった自分を感じる。その一体感こそが「社会」なのだ。

一体感のある「社会」には、その中心に必ず乳児がいる。

君たちも世界の中心にいて、周りの人たちを優しく、強く、幸せにしていたんだ、と教えてあげる。

こういう体験を重ねていけば、10年後に親になるかもしれない人たちが、幼児と一緒にいることに特別な価値や充実感を見出してくれる。そうして、信頼の輪、伝承すべき物語がつながっていく。

 

シャックティの風景から

 

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