待っている人たち

 明日、シャクティから離れます。

 今回、シャクティの娘たちは、暇があれば紙漉きをしていました。

 私の友人がシャクティの作るバナナの紙がカリグラフィーにいいと言って注文したからです。紙が作られる行程を一日見ていると、ゆっくり流れる時間が立体的に見えてきます。太陽も手伝って、温もりが紙に沁みていくのが感じられます。焦りがないのです。

 センターに居ると、シャクティの娘たちが、待っている人たちのような気がしてきます。何かが起こるのを待っている、待っていると起こる。そして、信頼があれば、それはきっと良いことで、絆があればいつか必ず安心につながる。だから待って、待ちながら、時々踊る。

すると、すべてが回り始める。大きく一体になって、輪になって踊りが始まる。

 トールキンが「指輪物語」で表現したホビット族が尊重する社会の安心感かもしれません。力と欲の黒い影から世の中を守るのは、こうした人たちの日々の営みと楽しみだと言いたかったのだと思います。

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