インタビュー記事の続編が載りました

(出版社のブログにインタビュー記事の続編が載りました。)

『ママがいい!』著者・松居和さんに聞く②悲しき虐待

政府が目指しているのは子どもに対するサービスではなく、親に対するサービス、企業に対するサービスです。保育士不足がこれほど逼迫しているのに、もう40万人保育園で預かれと数値目標を掲げ、それを「安心して子どもを産み育てることができる環境の整備」、「みんなが子育てしやすい国へ」と言うのですからもう支離滅裂というか、論理が破綻しているのです。

こうした厚労省の施策のキャッチフレーズに、ある二代目保育園理事長が顔をしかめて言いました。「安心して産み育てる、じゃなくて、気楽に子どもを産み育てることができる環境整備でしょう。気楽に産んでもいいんだけど、気楽に預けてもらっちゃ困るよね。それでは、子どもの立つ瀬がない。親が育たない」。

「子育てしやすい国づくり」=「保育園を増やすこと」とする考え方にいつの間にか社会が違和感を覚えなくなっている、そこがいちばん問題なのだと思います。

「日本再興戦略」という閣議決定があるんですが、その中で保育分野は「制度の設計次第で巨大な新市場として成長の原動力になり得る分野」、「良質で低コストのサービスを国民に効率的に提供できる大きな余地が残された分野」と書いてある。彼らの言う「国民」の中に幼児たちが含まれていないんですね。投票できない弱者の願いがまったく意識の中にない。