「失敗しない保育園選び」??

 ある園長先生からこの記事が送られて来ました。
 こんな記事を読んで、子どもの気持ちを優先に保育する園長たちが辞めてゆくのだと思う。http://diamond.jp/articles/-/59676
 今年は特にそれが多い。待機児童を無くせという合唱が「保育/子育ては国がやるべき当然のサービス」という姿勢を一部の親たちに植え付け始めている。本当にそれでいいのですか?
 こういう苦言を呈してくれる人たちが実は子どもの成長にとって現場で重要な役割りを果たしてきた。保育士にも苦言を呈し、若い保育士を育ててくれた。乳幼児の安全に欠かせない人たちだった。その人たちをこんな風に扱っては保育自体がその本質を変えざるを得ない。そのしわ寄せは義務教育の方にも確実に着ています。アメリカほどではないですが、子どもの気持ち考えられない親たちが学校教育を疲弊させている。
 「子育てはなるべく保護者が汗をかいてやるべきという、悪しき根性論」こんなことを正論のように「実用ライフスタイル雑誌」という出版物に「失敗しない保育園選び」と題して載せる人たちがいる。保育士側からすれば、「子育てはなるべく保育士が汗をかいてやるべきという、悪しき経済論」とも言える。一緒に子どもを育てている、心をひとつにするべい人間同士がこんなことを言い合う仕組みなどもうやめた方がいい、と思ってしまう。いったい幼児の気持ちはどうなるのだろうか。

東京保育園ランキング by ダイヤモンドQ

世田谷区の保育園を大胆にランキング!
はっきり分かった”株式会社”の高評

http://diamond.jp/articles/-/59676

我が子を保育園に入園させる道は長くて険しい。大都市では女性の社会進出に伴う保育園不足が深刻であり、保育園に関する情報が少ないためにどこを選べばいいのか分からないという保護者も多い。そこで、実用ライフスタイル雑誌「ダイヤモンドQ」編集部が、「失敗しない保育園選び」のために実用的な情報を紹介しよう。第1回は、最も待機児童が多いことで注目されている世田谷区の保育園事情を明らかにする。

「子どもが通っている世田谷区が経営している保育園では、子どもの昼寝用布団のシーツは保護者がかけることになっています。夏になるとクーラーがかかっていない熱い部屋で汗だくになってシーツ掛けをさせられ、とても嫌な気分になります。ほかにもスーパーのレジ袋を提げて行ったりするだけで、園長や保育士から怒られます。買い物に行く時間があったら、1分でも早く子どもを迎えに来なさいということなのでしょう。子育てはなるべく保護者が汗をかいてやるべきという、悪しき根性論がはびこっており、時代錯誤もいいところです」

 世田谷区営の保育園に子どもを通わせているこの保護者は、前近代的な経営方針や考え方に嫌気がさし、ついには別の保育園に転園したという。こうした保護者の悩みは実はよく聞かれる話だ。公営の保育園が昔からのやり方に固執するのに対して、株式会社経営の保育園はサービスが充実していて柔軟な対応ができると一般に言われてきた。 

 ダイヤモンドQ(創刊準備1号)の特集「失敗しない保育園選び」では、利用者が安心できる保育園の視点でランキング「東京ベスト保育園594」を作成した。各保育園を100点満点で評価し、市区町村ごとに点数の高い順に並べた。その結果、公営と株式会社経営では、主に保護者からの評価に大きな差があることが判明した。

本邦初の東京保育園ランキング
上位594保育園を点数で評価した

 ランキングは東京都内の認可保育園・認証保育園を対象に、サービス内容、利用者尊重の姿勢、不満・要望への対応、組織運営力などを点数化。特に保護者の声を重視した点数配分にした。今回の調査は昨年度、第三者評価を受けており、情報開示に積極的で業務改善に意欲がある保育園だけを対象とした「ベスト保育園」なので、都内のすべての認可保育園、認証保育園をカバーしているわけではなく、各自治体で最下位の保育園が必ずしも本当の最下位の保育園ではないことをお断りしておく。その結果、世田谷区のランキング結果が非常に興味深いものとなった。

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  毎日自分の子どもを育ててもらっている園に対してこういうひどいことを言う親は昔から少しはいた。子どもの日々の生活がどこでどのように行われているか、保育士たちが人間としてどんな目線を小さい子たちに注いでいるか、想像出来ないし、しようとしない。それについては失望するしかない。しかし、この親の発言を読めば、園長先生と親と、どちらが本当に子どものことを考えているか、常識的にはわかるはず。しかし、この親の発言を肯定するようなことをマスコミが印刷して広げることはまた別問題で、マスコミが想像力や常識を失ってしまっては、ただでさえ心のこもらない保育士が増えている保育園を決定的に追い込むことになる。保育園はサービス産業、成長産業と位置づけてしまった閣議決定が背後にはある。しかし、人間社会の一般常識として、子どもの面倒はできるかぎり親が見るべき、それが親子の将来にとっていいのだ、とする園長先生の視点は学校教育や福祉をこの先成り立たせるためには絶対に必要な視点、人間性の原点と言ってもいい。それは前近代的な視点ではなく、幼児と接していれば自然に生まれる人間性だと思う。

 この記事は、けっこう話題になっているようで、保育や児相での現場、家庭崩壊の最前線で頑張っているある市の行政の女性から、こんな記事があるのですけれど、ご存知ですか?と同じ記事について連絡をいただいた。驚くのは、女性の上司でもある管理職の女性から「だから公立の保育園は駄目なのよ」と言われたというのだ。管理職の人は保育現場の経験がない、保育現場でどのように心が動いているか、まったくわからない人だった。ましてや預けられている幼児の気持ちなどは遠過ぎて考えもしない人なのだろう。こんな風に仕組みは作られている。その中で、日々、幼児に直接接する人たちが心を病んで辞めてゆく。

 この記事が推薦する株式会社系の保育園で、毎年何割の保育士が辞めてゆくか、出版社はしらべるべきだと思う。そして、良い保育園を選ぶ時に、他の親の意見だけではなく、実際に現場に居るひとたち、居たひとたちの意見を聴いてみればいい。その人たちの方が子どもたちの気持ちを代弁してくれるはず。一見不親切に見えることに大切な意味があったりする。親へのサービスは子どもたちへのサービスにはならないし、年輩者や経験者の意見にはひとまず聴いてみるべきだと思う。とくに、子育てに関しては。

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