トルコから教わること(すべての文化・文明がいずれ選択肢になる)

(私)

新幹線は超自然な速さです。大阪まで二時間半だって。そちらの時間の進み具合はどうですか?

(トルコに住んでいる友人)

こちらでは、列車は発達しないですね。どんな遠くへもバスで行きます。丸一日かけてバスを乗り継いで帰郷します。一説では、マフィアがバスに関する権利を持っていて、電車の普及を邪魔しているから発達しないらしいのですが、それ以前にトルコ人が、電車を必要としていないということなのでしょう。

バスではまず、コロンヤ(知ってますか?すっきりする香水みたいなもの)が配られ(バスの係の人が1人ひとりの手にかけに来ます)、1時間毎くらいにトイレ休憩、ごはんの時間にはごはん休憩があります。途中チャイやお菓子も振る舞われます。バスに乗っている人は貧しい人もいるので、バスの中での持ち込み飲食は禁止(トルコではこういう考え方があります。目の前に食べられない人が居るのに、自分だけ食べるのはとても悪いこと)男女が隣同士に座らないように、バスの停留所で人が新たに乗り込んで来ると、しょちゅう席替えをします。ただ、ひたすらバスに揺られて、故郷や、リゾート地や、仕事を求めて新しい場所へ。

チグリス・ユーフラテス川を通ったことがありますが、周りはただ茶色の大地で、時々数件の民家、商店が見られるようなところに、細い川がひっそりとありました。バスは川を気に留めることもなく、ただ走っていきました。

松居先生のメールで、アナトリアを旅したことを思い出しました。


(私)

返信ありがとう。

いつも面白い報告ありがとう。インド以上にトルコは人間の作った非民主的なルールが、意外と理にかなっていて、民主的な考え方の方が、実はただのパワーゲーム、利権争いだということを浮き彫りにするような気がします。

やはり回教の方がヒンズーより新しい論理性があるよね。

いま帰りの新幹線の中です。今日は日帰りで西宮まで行きました。

私の話を聴きたいと思ってくれる保育士や親が増えてきて嬉しいです。一つ一つ演奏会のつもりで話してきます。

(トルコに住んでいる友人)

 そろそろ、近年で最悪の(?)難関、真夏のラマザン(断食)に入ります。ラマザンは毎年一ヶ月ずつ日程がずれるので、いつかは真夏に当たってしまうのです。真夏は、気候条件だけでなく、時間の長さも最長。断食は、夜明けのお祈り(真夏は朝5時前!)から日が落ちるお祈り(夜8時頃。。。)の間行い、唾も飲み込めません。そして皆、長い一日の断食に備えて朝3時に起きて(太鼓をたたいて街中を歩き、皆をこの時間に起こす係がいる。迷惑。。。笑)食事をするため、寝不足。それでも、「この状況でイライラしたり仕事が手につかない人は、断食をする資格が無い」と考えられるため、いい人間性を保たなければなりません。去年の断食月もかなり暑く大変そうでしたが、皆変わらず親切でした。

断食の目的は、「食べることが出来ない人の状況を理解するため」ということで、それはトルコの基本的な考え方の一つです。でも、それ以上に、断食という苦しさを共有してものすごい一体感を得ているのだと思います。そして断食明けに訪れる砂糖祭では貧しい人に施しを行いまくりますが、断食を行うことにより、この施しが大変気前良く行われるのです。自分がつらさから解放され、増々神に感謝できるというか。本当に、この断食が、社会をいい方向に運営するシステムの基軸を担っていると思います。

このシステムは、本来人間は不平等な立場にあるということを認めないと成立しません。富める者と貧しい者は平等ではないというのは、民主主義国家では大失言にあたるような文言ですね。でも、人間平等じゃないし、自由なんかないって、トルコの人たちは知っています。知っているから、神のもとに集まり、富める者が貧しい者を助けるというシンプルな構造で生きているんです。

(私)

よくわかる。凄いよね。人間の生きてゆく知恵は、心を一つにするための道を探ることだったんですね。

トルコのように、日本もまた人類の大切な選択肢にならなければいけないね。

心を一つにする手法が、敵を作ることにならないように、いまこそ良い方向への試行錯誤錯誤が必要だね。シャクティとシスター、いまアメリカにいます。魂を揺さぶる演奏しているみたいです。


「目の前に食べられない人が居るのに、自分だけ食べるのはとても悪いこと。」だからバスに食べ物を持ち込めない。

 発想の原点が他人の気持ちを想像する、ことにあるのです。そして、想像する方向性が守られている。祈る方角が決まっているように。一応民主主義のトルコという国で、人々の意思によって守られている。こういう人たちの意思の力を見誤ると大変なことになる。先進国社会が抱えている問題点を理解し、学ぶべき相手を間違わないことです。

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